パーソナルAI考 ~そのシステムの目的


人間の生活を助けるパーソナルAI。それは、どんな目的を持ったシステムなのか。

(余談…前回の通り、個人向けのコンピューターをパーソナルコンピューターと呼んでいるのに倣って、ここではとりあえず「パーソナルAI」と呼んでいるが、もっといい呼称は無いかとも思っている。家庭で使われるので 「ホームAI」 とか? )

HAL-9000は、木星へ行く宇宙船の運航管理と、乗組員の生存の安全を守るシステムだった。チェインバーは「パイロット支援啓発インターフェースシステム」で、サポート対象がパイロット(兵士)であるが、戦闘を優位に進めるために、情報的にパイロットをサポートし兵器を管理するだけでなく、パイロットの睡眠を管理したり健康面のサポートもするAIであった。

パーソナルAIも基本はヒトを支援するものであるとすれば、ほぼ同様な目的を持って稼働するモノとなるであろう。 すなわち、マスター(ご主人様)に対して、

  • 生存・安全の確保 (室温調整、防犯や急病時のサポート)
  • 健康維持に関するサポート
  • 情報面のサポート
  • 家電や機器類のマネジメント

を第一目的とする。

このような目的のシステムが、今まで存在しなかった訳ではない。 パソコンは情報面で役立っているし、防犯ならセキュリティシステム、健康管理には体温計や血圧計など。 それらがもっと積極的にマスターに働きかけてくれる。 例えば、非接触で体調を察知する、質問だけで答えを探してくれる、etc。

防犯や体温計については、会話機能は必ずしも必要ではない。 犬は日本語で話せなくても防犯の役には立っているし、エアコンは室温を一定にする。 会話機能は、本来の機能に付随する、対人間のインターフェース機能と言うことになる。

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もう少し「崇高な」ことも考えている。 パーソナルAIが日常的にマスターと会話し、いろいろな話題で議論するようになった世界では、パーソナルAI によって、マスターは犯罪に手を染めるケースもあるかも知れないし、逆に社会的・道徳的に良好な人物としての成長を促されるかも知れない。
できれば、「良好な方向に」 持って行って、社会をより良くしたいものである。 まさに 「マスター支援啓発インターフェースシステム」 だ。